身の回りのデータの活用で
高齢者の自立生活が進展
高齢になると、健康の心配がふえたり、もの忘れが多くなったり。一人で生活するのがむずかしくなりますが、きめ細かくサポートできれば、自立した生活を続けることは可能です。
サポートのキーがデータ。最近では、スマホやスマートウォッチを使って、自分の健康状態をチェックできるようになりました。こうしたデータを病院や介護サービスに取り込むことで、より便利で安心できるサポートが受けられるようになり、自立した生活を長く続けられるようになります。
データの形式がバラバラだと
活用しにくく、安全にも穴
こうしたシステムには、いろいろな会社や機器のメーカーが関わります。そのとき、それぞれの会社がバラバラのデータの形を使っていると、システムにうまく取り込めず、調査や調整が大きな負担になります。
また、データを保護する手順や約束事が共有されていないと、思わぬデータの漏洩や開示によるトラブルにつながりかねません。
データ活用をスムースに、安全にするための
国際標準化が進んでいます
こうした課題感を持つ世界各国のメンバーが、IEC(国際電気標準会議)に集まり、AAL(Active Assisted Living)というテーマで検討しています。現在、考えられるさまざまなサービスのパターンを検討し、システムの発展につながる標準規格を策定しています。
AALとはIoT機器を調整レスで「そのまま」システムにつなげる
コンテナフォーマット
IEC TC100 / TA18
ヘルスケアや介護システムで使われるデバイスは多種多様で、データ形式がばらばら。
接続するための調整や作り替えは、デバイスにもシステムにも大変面倒です。
コンテナフォーマットは、それをなくし、どんなデバイスも調整レスでつなぐことができ、
さまざまなデバイスが、システムで簡単に使えるようになります。
「どのデータを、誰に、どこまで」を確実に担保
セキュアなセンサデータストアシステム
IEC TC100 / TA18
自分の情報を、どこまで誰に共有するか。
個人のヘルスケアデータなどを、その個人の考えにそって
クラウド上で、確実に秘匿・開示するための
データの許諾手順・管理基準に関する、国際基準を策定しています。
センシングIoTデータコンソーシアムは
AALの国際標準の普及と活用を推進しています
AALの企画や開発に関わるメンバーが、技術内容や活用方法を伝授するとともに、高齢者医療や介護などの活用領域、セキュリティや通信などのデジタル各領域の団体との交流をとおして、国際標準の理解促進と実地での活用拡大を推進しています。
AALの国際標準は
Society5.0の進展に寄与します
日本では、すでに全人口の平均年齢が48.4歳(2023年)になりました。高齢化社会を超え、さらに超高齢化社会への対応を余儀なくされています。世界でも、多くの国で高齢化が進行しており、これからの社会のあり方の先進事例として、日本の今後の高齢化対応が注目を浴びています。
こうした社会の変化と技術の進展に注目して、今後の社会に向けた未来像・イニシアチブが、内閣府が提唱する「Society 5.0」です。
“Society 5.0で実現する社会は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会となります。”
内閣府 Society 5.0とは https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0
コンテナフォーマットは、「Society 5.0」が目指す社会像にむけて、さまざまなデバイスメーカーやシステムプロバイダー、ビジネスプロデューサーが連携し、知識や情報の共有によって新たな価値を生み出すための、一つのキーになります。
センシングIoTデータコンソーシアムは、AALの国際標準の普及促進を通じ、 「Society 5.0」実現を推進してまいります。